季節はまもなく秋。秋といえば、秋の七草のある風景を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。秋の七草には、萩、桔梗、葛、撫子、尾花(ススキ)、女郎花(オミナエシ)、藤袴が名を連ねますが、今日は、くさかんむりに秋と書く、まさに秋を代表する花であり、万葉の時代に最も愛された萩について。
京都御所の東隣に建ち、京都三名水のひとつ「染井」で知られる梨木神社は、初秋、500株もの萩の花が咲き誇ることから「萩の宮」とも称されます。毎年萩の見頃に合わせて開かれる「萩まつり」では、細い枝に短歌や俳句をしたためた短冊が結ばれ、風にそよそよと揺らめきます。澄んだ声を奏でる鈴虫の籠が置かれ、狂言や舞踊の奉納、抹茶席も設けられるなど、見どころがいっぱいで、多くの人が萩の花を愛でに訪れます。緑に包まれた清々しい境内で、初秋の風情を五感で味わってみませんか。
萩まつり